志望校・志望学部が決められない(将来をしっかり考えよう!?)

受験生を見守る母

大学と学部によって将来は大きく変わる!

 受験生の行動別・問題別の御家庭のサポートのスタンスの最後の一つである、”志望校・志望学部が決められない”で、ある。

 一応、ある程度の学力があり時間的余裕があるという条件下でのお話しである。学力が足りていないのであれば、“勉強はしているようだが、学力が伸びない(気が気でない!?)”を、時間が足りなければ、“学力は伸びてはいるが、受験に間に合わなそう(忍耐が重要!?)”を御覧頂きたい。

 このサイトを御覧の方々の多くは、医学部志望である事が多いであろうが、一応、医学部以外の受験生様や御家庭の方もいらっしゃるのであろうから学部の選択から考えていく。

特定の学部を卒業する事が必須の職業

 いくつかの職種には特定の学部を卒業している事が前提となる。まあ、このサイトのほとんどの読者様には釈迦に説法であろう・・・

医師

 医師になる為には、大学において医学の正規課程を修めて卒業し、医師国家試験に合格していないといけない。ハンガリーなどの海外医学部留学など裏技的なものもあるが、それでもその国の大学の医学部を卒業しないといけない。

歯科医

 歯科医になる為には、大学において歯学の正規課程を修めて卒業し、歯科医師国家試験に合格していないといけない。

獣医師

 獣医師になる為には、大学において獣医学の正規課程を修めて卒業し、獣医師国家試験に合格していないといけない。

薬剤師

 薬剤師になる為には、大学において薬学の正規課程を修めて卒業し、薬剤師国家試験に合格していないといけない。

 今の日本で絶対に特定の学部(海外の大学も含む)を出ていないとなれない職種はこれぐらいであろう。実は、教員免許などは短大でも取れるし、弁護士になる為の司法試験も、司法試験予備試験に合格できれば学歴に関わらず受験可能である。もちろん非常に狭き門ではあるが。

 ので、以上4つの職種で働きたい場合は、それらの正規課程を修める事が出来る大学の学部にいく必要がある。

特定の学部を卒業する事が有利である職業

 絶対にある学部を卒業しないといけない訳では無いが、有利となる職種である。

教師

 小学校や中学校・高校の教師は特定の大学の学部を出る事が有利である。特に小学校の教師になるには大学もしくは短大の教育学部で学ぶのが普通であろう。中学校や高校の教師であれば、教育学部でなくても教職課程を追加で修めれば一般の学部でもなる事は可能であるし、そのようにして教師になる人は多い。

弁護士

 今では、法学部から法科大学院に進んで司法試験に挑み、弁護士となる人がほとんどではあるが、司法試験予備試験を合格する事でで学歴に関係なく司法試験を受ける事は可能である。但し非常に狭き門である。

臨床心理士

 指定大学院もしくは専門職大学院を修了することが資格審査を受けるのに必須でありこれに合格する事でなれる。ただし、カウンセラーとして働くのであれば、特別資格は必要ない。

看護師

 看護師には、正看護師と准看護師が存在し、正看護師は、4年制大学の看護学部・3年制の短大の看護学部・3年制の専門学校に通う事で看護師国家試験を受ける事が可能になり合格するとなれる。一方、准看護師は2年制の准看護師養成学校に通い、准看護師試験を受けて合格するとなれる。ちなみに准看護師は国家資格では無く、各都道府県による免許である。

 他にも司法書士・行政書士なども特定の大学や学部を出ていないといけない訳ではないが、法律系の学部を出ていた方が有利であろう。

一般受験生の大学・学部の選び方

 上記のように、実は特定の職種に就くために特定の学部を出ていないといけないというのは、思ったほど多くは無い。
 ただし、ある学部を卒業しておくと有利である、というのは多い。上にはあげてはいないが、例えば食品メーカーの研究職どには理学部や農学部卒、機械メーカーの研究職には理学部や工学部卒、化粧品メーカーの研究職には薬学部や理学部卒などでないとなかなか入れないってものは多い。

 よって将来働きたい業種や企業に卒業生を多く入れている大学の学部を選ぶとよいであろう。このようなデータは大学側も”就職・キャリア”などで公表しているのでそちらを参照されたい。そこに名前の載っている企業や業種に強い、と、いう事だ。注意しないといけない事は学部もだが、学科も重要である。学科単位で得意な企業や業種がある。しっかりと調べる事。
 ・・・まあ、高校生でそこまで考えている人も少ないかもしれないが、結構重要だったりする。
 例えば、就職に関しては、東京理科大学などは早稲田や慶應に負けないぐらいの結果を出しているし、芝浦工業大学なども明治や立教に引けを取らない結果を出している。就職を考えると、下手な偏差値だけ高い大学より理工系大学の方がお買い得な事が多い。

医学部志望の大学・学部の選び方

 このサイトの主な読者様の懸案事項である、どこの大学の医学部を選べばよいのか?で、ある。
 結構相談を多く受けるのであるが、

国公立大学の医学部ならどこに受かれそうですか?

 ・・・まあ、御本人様と御家庭がすべて納得づくであればよいのであるが、医学部に入学するのは半分、その大学の医学部に就職するようなものである。もちろん、御実家が大きな医院を開業していて卒後はそこへ・・・って考えているなら別だが、特に一般家庭で医学部進学すると、進学した大学のある地方で勤める事を覚悟しておいた方がいいかもしれない。ので、実家が東京にあって将来東京で働きたい、と、考えているのであれば、下手な地方の国公立大学よりも東京にある私立医科大学の方がよいであろう。地方の国公立大学、その中でも新設医科大学は地元で働いてくれる医師を育てるという役割も担っているのでアンマッチになってしまう可能性もある。これは地方の私立医科大学も似たようなもので、やはり地元で働くというか、その大学にとって”都合よく”働いてくれそうな受験生を優先したい・・・みんな、特に若い人たちは、すぐ都会に逃げていってしまうからな。特に臨床医として働きたいなら、将来働きたい所にある医学部を優先した方がいいと思う。
 また、比較的国公立大学は研究志向が強く、これは旧帝大や旧6医大・京都府立大学など歴史のある医学部はその傾向が強い。一方琉球大学や浜松医科大学のような新設医科大学は臨床志向が強いと言われている。
 私立は全体的に臨床志向が強めだが、やはり慶應や東京慈恵会などは比較的研究も強い・・・だが、やっぱり、旧東京帝大の医学部が学問としての医学を志向していた事のアンチテーゼとして、「病気を診ずして病人を診よ」の臨床志向は私立医学部の建学精神として根っこにある。

 大学進学は、一生に関わる事なので、将来を見据えて考えて欲しい。
 単に受かれるからって地方の国公立医学部に行くのは得策とは言えない・・・実際、それであまり望みでは無い地方で働く事になってしまった奴を知っている。確かに私立の学費の数千万は高いが、一生に関わるとなった時、どうであろう?と、犬は思う。

極一部の職種は特定の大学の学部を卒業する事が必須である

多くの職種は必須ではないが、その職に就くのに有利な大学・学部はある

医学部志望であれば、大学を選ぶのは半分就職先を選ぶのと同じ

自分が将来、どこで何をやりたいかで大学を選ぼう!安易に国公立ならどこでも良いは、数十年後に公開するかも?

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受験生に対する親の態度(学力の伸びが遅い時)
に続く・・・

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